- しょうぼうじどうしゃじぷた
- 渡辺茂男 作
- 山本忠敬 絵
- 1966年 福音館書店 発行
- 対象年齢:4才から
親子でゆったりした時間を共有したいから、色々な感情を知ってほしいから、考える力を養ってほしいから。。
理由は様々ですが、テレビとは異なり自分で想像して作り上げる部分も多いので、絵本を読むことは今の時代だからこそ、大切にしたい習慣です。
今回は、私が幼い頃に幼稚園の教室に置いてあり、最も記憶に残る絵本をご紹介します。
内容
しょうぼうじどうしゃじぷたは1966年に出版された古い絵本です。
長い年月を経て自分が親になり、子供に同じ本を読む日が来るなんて思ってもいませんでした。
この本のことはすっかり忘れてしまっていたのですが、はたらくくるまが大好きで、本屋さんに行ってもくるまの本ばかりの我が子が選んだこの絵本を見た時、一瞬で懐かしい気持ちになりました。
いつの時代もはたらくくるま好きには憧れの消防署。
ジープを改良した小さな消防車の「じぷた」、はしご車の「のっぽくん」、高圧車の「ぱんぷくん」、救急車の「いちもくさん」等と登場人物の名前もユニークです。
周りのみんなが大きな火事を消して大活躍する中、じぷたは小さな火事専門。
からかわれて自信をなくしそうになります。
そんな時、隣村の山小屋が火事になり。。
どんなものでもその特徴を活かして活躍することができるという物語です。
感想
ハラハラドキドキするような展開の後のハッピーエンドは、読んでいて心地が良く、幼い私の記憶に残っていたのも、自分好みの内容だったからなのだと思います。
我が子が最初に好きになったはたらくくるまは、救急車。
出てくる救急車の形も消防車の形も、救急隊員、消防隊員の服装も今とは違います。
火事が燃え広がらないように、木を切り倒す道具は斧です。
時代を感じる場面が多々あり、そんな違いを探すのも面白いです。
しかし、全体のテーマは現代にも通じるものがあり、大人になって読むとまた違った視線で読むことができました。
小さな消防車でも活躍できる場があり、めげずにがんばる姿勢は子供にも伝わっているといいなと思う部分です。
どんな人でも得意不得意があります。
時には周りと比べて自信をなくしてしまうことがあるかもしれません。
こんな時代だからこそ、それぞれの個性を大切にし、それぞれが輝ける場所があることは自信につながるのだと思います。
子供の特性に合った居場所を見つけられるよう親としてサポートできたらと感じました。
この本はこれからもずっと大切にしていきたい一冊です。
いつか我が子が子供を持ち親になった時には、ぜひその子供にも読んであげて欲しいなと思います。
その頃の消防署はもっと変わっているかもしれませんね。