この絵本は、昨年のユニクロの冬用キッズパジャマとコラボされていて、「そらまめ」というキーワードが妙に気になり、それまでこの絵本のことは知らなかったのですが、読んでみることにしました。
我が家では夏になると、実家で採れたそらまめがたくさん送られてきます。
私は好きなのですが、そのままだと減りが遅いので、我が家ではスープにすることが多いです。
あの独特な香りが苦手という人もよく耳にしますし、夏野菜と言っても、今の子供達にはあまり馴染みがないような存在に思います。
じいちゃんとばあちゃんが作るそらまめを食べることができる我が家の子供達には、少しでもそらまめを身近な存在に思って欲しくて、手に取った絵本です。
- そらまめくんのベッド
- なかや みわ 作・絵
- 1999年 福音館書店 発行
- 対象年齢:3歳から
内容
そらまめくんは自分のふわふわなベッドのさやがお気に入り。
他のお豆達に、「そのベッドで眠らせて欲しいな。」と言われるのですが、「ダメダメ。」と、誰にも貸そうとしません。
ある日、突然そらまめくんのベッドが消えてしまいました。
必死に探しますが見つかりません。
最初は「貸してくれなかった罰さ。」と言い合うお豆達ですが、だんだんそらまめくんがかわいそうになってきてしまい、それぞれのベッドを貸すことに。
えだまめくん、グリーンピースのきょうだい、さやえんどうさん、ピーナッツくんのベッド。。
でもやっぱり自分のベッドがいいそらまめくんは、もう一度探しに出かけます。
なんと、そらまめくんのベッドを使っていたのは。。
様子を見ているうちに、誰にも貸したくないと思っていたそらまめくんの気持ちに変化が生まれます。
ベッドが返ってきたそらまめくん。
みんなの所に戻ると、みんなもそらまめくんのことを心配していました。
そして、そらまめくんも優しい気持ちでみんなに接することができたのでした。
感想
大なり小なり誰にもある、「ダメダメ」の貸したくない気持ち。
我が子にもあります。
しかし我が子は何事にもあまりこだわりがなく、どうしても貸せないということはあまりありません。
ただ、積極性が抜群なので、貸してもらえない子にもガンガンに立ち向かい、ちょっとしたトラブルになるといったことの方が多いように思います。
そんな時に私は、色々な気持ちがあることを伝えています。
どうしても貸したくない気持ちも、貸してもらえなかった時の寂しい気持ちも、どんな気持ちもその子の正直な気持ち。
そこに良い悪いはないと思いますが、言い方や振る舞い方には注意が必要だと思っています。
どうしても貸せないものを見せびらかしたり、自分は貸さないのに人には借りようとしたり、貸してもらえなくて怒ったり等はしないよう、自分の気持ちと同じくらい相手の気持ちも尊重できる子になって欲しいなと思っています。
困ったそらまめくんに手を差し伸べてくれたお豆達に対しても正直なそらまめくんですが、予期せぬ出来事で感謝をされる気持ちを知ることになり、貸してあげるのではなくとも、一緒にすることの喜びを見出すことができたのは、そらまめくんにとって大きな成長になったことと思います。
色んな気持ちを知り、自分の世界を広げていって欲しいなと改めて思える絵本でした。
絵もとてもかわいらしくて、もう売り切れてしまっていたのですが、パジャマが欲しいです。笑
それから、色々なお豆のさやの形の勉強になる所も良いです。
グリーンピースのさやってご存じですか??
幼稚園や保育園等で、新しく集団生活を始めようとしているお子さんにもおすすめな絵本なので、ぜひ親子でご覧になってみて下さい。