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絵本「そらいろのたね」

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  • そらいろのたね
  • 中川李枝子 作
  • 大村百合子 絵
  • 福音館書店
  • 対象年齢:4才から

絵本の読み聞かせを行っていて、我が子が選ぶ絵本は好きな乗り物が登場するものが多いのですが、こちらは、物語の内容を重視して、考える力を養うきっかけになる本はないかなと探していた時に、見つけた絵本です。

どこかで見たことのある雰囲気だなと思っていたら、ぐりとぐらを書いた方と同じとわかり、ますます興味を持ちました。

保育参観で我が子の通う園に伺った時に、担任の先生がこの絵本を朗読していたのを耳にして、学ぶことの多い絵本なのだということを改めて感じたので、ご紹介したいと思います。

内容

ゆうじが宝物の模型飛行機で遊んでいると、きつねが自分の宝物のそらいろのたねと交換してほしいと言います。

ゆうじは最初は断るのですが、交換することに。

そしてそのたねを庭に埋めました。

すると次の日、小さな「そらいろのいえ」が出てきてゆうじは大喜び。

水をかけてあげると、そらいろのいえはどんどん大きくなり、ひよこがやってきて、おうちに入りました。

もっと大きくなり、ねことぶたもやって来ました。

さらに大きくなり、ゆうじが家に入りました。

そらいろのいえは少しも休まずどんどん大きくなり、お城のように立派な家に。

次から次に動物がやって来て、街中の子供達もやって来ました。

よく見ると、ぐりとぐら等過去の作品の登場人物が出てくるので、それを見つけるのも楽しいです。

そこへ冒頭のきつねもやって来て、大きく育ったそらいろのいえにびっくり!

きつねは、「飛行機は返すから、このおうちを返して!このおうちは僕のおうちだから、みんな出て行っておくれ!」と独り占めしてしまいます。

すると、そらいろのいえは。。

人の気持ちについて、とても考えさせられるお話です。

感想

ゆうじくんは素直で自分の意見もしっかり主張できるタイプで、変化を前向きに楽しむ姿が素晴らしいです。

きつねはただの悪者のように思えますが、友達のものがうらやましくなり、欲しくなるという気持ちは誰にでもある感情ですし、この絵本の対象年齢である4歳くらいの子供は特に、多かれ少なかれ通る道で、私もおねだり攻撃に悩まされた日々を思い出しました。

ただ、大威張りの独り占めはやっぱり良くないですよね。

自分の感情だけで相手に悲しい思いをさせることは、思いやりがまったくありません。

きつねが意地悪なことや、ゆうじくんや他の登場人物の感情がまったく書かれていない所がポイントなのだと思いますが、どうしてこうなってしまったのかということを、私は毎回我が子に考えさせています。

最初は、「おひさまにぶつかっちゃったから。」等、あまりよくわかっていなかったのですが、だんだん、「きつねは怒ってばっかりだね。」や「みんな出て行ってってひどいよね。」等、きつねの行いが良くないことということに気づき始めました。

悪いことをすると結局何らかの形で自分に返ってくることを私は日頃から肝に命じています。

昔から、良い行いも悪い行いも「お天道様が見ている」と言われたものですが、この絵本はそのままずばりです。

ただ、正直に思う自分の気持ちは大切にして欲しいです。

なので私は、ゆうじくんが模型飛行機をどうしても貸したくなかったのなら貸さなくてもよかったと思っていますし、こういうことは日常でもよくある場面なのですが、我が子に対してもそう思います。

その時には、ただ「やだ。」と拒否するのではなく、どうしても貸せない理由をちゃんと言うこと、他に貸せるものがあれば貸すことをいつも伝えています。

それは、相手が悲しい気持ちになるから。

自分が言われて悲しいことは言ったらいけないことだよ、と。

この絵本を通して、そのことがもっと伝わればいいなと思っています。

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