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絵本「ぶたのたね」

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この絵本は我が子が園で読んでもらい、「みんなだったら何の種が欲しいか?」というお題でそれぞれ絵を描いたそうです。

それが壁に貼り出されていて、見る機会があったのですが、それぞれの発想に驚きとかわいらしさと、何とも微笑ましい気持ちになりました。

ドーナツやケーキ、チョコレート等の大好きな食べ物を描く子が多かったのですが、山なんていう詩的な感性を感じさせる子がいたり、仲良し同士は同じものを描いていたりと、とっても見応えがありました!

そんな中で我が子が描いたものは・・・車!!

いつでもどんな時でも車が大好きな我が子です(笑)。

後からこの絵本の内容を知ったのですが、種から実が成るまでがどんなふうに内容に織り込まれているのかと思ったら・・・もう「衝撃」の一言(笑)。

「そんなことって!」の連続です。

私にとってはある意味新しいジャンルとも言えるこちらの絵本を、今回はご紹介したいと思います。

  • ぶたのたね
  • 佐々木マキ 作
  • 1989年 絵本館 発行
  • 対象年齢:4歳くらいから(主観です)

内容

ぶたよりも走るのが遅いおおかみがいました。

(まず、おおかみなのに走るのが遅いという設定が斬新。笑)

だから、まだ一度もぶたを捕まえたことがありません。

しまいには、ぶたにからかわれてしまいます。

そこへやって来たきつね博士に、「足の速くなる薬が欲しい」と相談します。

きつね博士は、足の速くなる薬の代わりに、ぶたの実が成る「ぶたのたね」と、ぶたの実が早く大きくなる薬を、おおかみに渡しました。

おおかみは早速ぶたのたねを埋めて、早く大きくなる薬をかけると、本当に芽が出てきて、1週間で大きな木になりました。

そして、たくさんのぶたが木に成ったのです!!

(ぶたが成る木という、またもや斬新な設定。笑)

ところが、ぶたはあるアクシデントからみんな下に落ちてしまい、走って行ってしまいました。

足の遅いおおかみは追いつくことができません。

がっかりして戻ってくると、頭を打って気を失ったぶたが1匹いました。

おおかみは「生まれて初めてぶたの丸焼きが食べられる!」とワクワクして、火起こしを始めます。

ところが、またもやアクシデントに見舞われ・・・

おおかみはとうとうぶたを捕まえることができませんでした。

「今度こそ!」と、再びぶたのたねを埋めるおおかみなのでした。

感想

「ぶたのたね」なのに、主人公はおおかみです(笑)。

もう、題名から内容までツッコミどころ満載な絵本でした。

おおかみのことごとくトホホな姿が、気の毒にさえ思えてきます。

赤ずきんのお話や、本物のおおかみの勇ましい姿から、なんとなくおおかみは悪いものや怖いものとして決め付けてしまっていたように思います。

でもおおかみだって人間と同じように自然界に生きる生き物です。

それを人間の価値観で良し悪しを決めてはいけないのだと思います。

おおかみに対する印象を覆すようなキャラクター設定と、物語の展開に、私は感心してしまいました。

大人になるにつれて自分の考え方や固定観念にとらわれて、なかなか自由に想像できなくなってしまうものですが、この絵本の斬新な発想が、いつまでも豊かな想像力を持つことのすばらしさを教えてくれる気がしました。

また、おおかみの散々な境遇については、誰かの失敗や不運をおもしろがるのではなく、誰でも失敗や不運があるということを我が子には伝えたいなと思いました。

絵本は本当に色々なことを考えるきっかけを与えてくれます。

物事を様々な視点から捉えられるような子に育って欲しいなと思いながら、大切に読んでいきたいと思います。

続きがあるのですね!とっても気になります!

そのまた続きも!!

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