緊急事態宣言が解除され、我が子も分散ながら登園再開となりました。
絵本の中に幼稚園が出てくるので、我が子も興味を持ちやすく、物語に入りやすいかなと手に取った絵本です。
すると、どこかで見たことがあるような懐かしい気持ちに。。
実家は絵本があるような家ではなかったので、通っていた幼稚園で見たのかもしれません。
今思えば、絵本が全くない家というのもめずらしいですよね。(笑)
私は末っ子で小さい頃から頑固でわがままな部分があったので、絵本を読んでもらうような家庭だったら、考え方の幅が広がって、もう少し違う人生だったかも(笑)、なんて時々考えたりしてしまいます。
両親との関係は至って良好ですが、自分も親になって、感謝も含めて、色々見えて来る部分があるな〜と感じています。
当時の私と同じくらいの年齢になった我が子に読んであげるのは、とても不思議な気分です。
こちらの絵本は4歳からとなっていますが、大人でもとても考えさせられる内容の絵本だったので、ご紹介したいと思います。
- ぐるんぱのようちえん
- 西内ミナミ 文
- 堀内誠一 絵
- 1965年 こどものとも(福音館書店) 発行
- 対象年齢:4歳から
内容
ぐるんぱという大きなゾウがいましたが、ずっと一人で暮らしていたので、汚くて臭いにおいがします。
時々ひとりぼっちのさみしさから涙を流すこともありました。
ある時そんなぐるんぱを見かねて、ジャングルの他のゾウたちがぐるんぱを働きに出そうと、ぐるんぱを川で洗ってあげました。
きれいになって元気に出発し、最初に行ったのはビスケット屋さんのびーさんの所。
ぐるんぱは張り切ってビスケットを作りますが、大きすぎて失敗。
びーさんに追い出されてしまいます。
次に向かったのは、お皿作りのさーさんの所。
そこでも失敗。
靴屋のくーさん、ピアノ工場のぴーさん、自動車工場のじーさんの所と、次々に働きに行くのですが・・・。
繰り返されるリズムの文章に、どんどん引き込まれていきます。
最後は、ぐるんぱはある家族と出会い、そこでの一つのお願いから、ぐるんぱはひらめきます。
ぐるんぱと幼稚園の関係は・・・思わず「なるほど!」と思えて、みんながにっこりになれる結末です。
感想
すぐに、ぐるんぱはゾウだということがわかりましたが、それでも内容は全く覚えていませんでした。(笑)
「汚くて臭い」という表現や、会議のシーンでのゾウ達の様子は、少々心がざわざわしてしまうのですが、きちんと前後を読むことで異なる印象を受けます。
最近の絵本なら、あえて避けている表現かもしれません。
体を清潔にしなければ当然汚くなってしまうし、においます。
臭いというのも相手の正直な気持ち。
結果的にいじめになってしまうのはその部分ではなく、そこからの行動の違いだと思うのです。
ゾウ達は外に出るよう促し、体を洗ってあげることで何もしないぐるんぱを助けているのです。
無理矢理でぐるんぱがかわいそうだと思う方もいるようですが、汚くて臭いまま何もしないで知らんぷりするよりはずっといいと私は思います。
ここは子供にも少し説明が必要な部分かもしれません。
また、力加減ができなくて上手くいかない様子を、我が子の姿と重ね合わせて、ちょっと切ない気持ちにもなりますが、いつでも全力でめげずに一生懸命やることが何かにつながるということを教えてくれます。
自己肯定感を育む上で、自信になるような経験をすることはとても大切です。
自分の個性を活かして、それぞれが輝ける場所があるという部分では、以前ご紹介したしょうぼうじどうしゃじぷたに少し似ているなと思いました。
色がカラフルですが、優しいタッチの絵も個人的には好きです。
動物が好きな下の子も興味津々で、我が家のお気に入りの一冊になりました。
昔からずっと読み続けられているものには、それなりの理由があります。
絵本はいつでも何かを考えるきっかけを与えてくれるので、みなさんもぜひ読んでみて下さい。