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絵本「ねずみくんのチョッキ」

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2020年、子年シリーズの第三弾です!

こちらの絵本は、園の行事で先生が大型の絵本で読み聞かせをして下さって知った絵本です。

その先生はとってもお気に入りだそうで、「貸して」、「いいよ」を学ぶ時期にとても考えさせられる絵本です。

ねずみくんの健気な姿に賛否両論といった内容で、子育てのヒントになるような、ぜひ親の立場としても子供の立場としても読んでいただきたい絵本なので、ご紹介したいと思います。

  • ねずみくんのチョッキ
  • なかえよしを 作
  • 上野紀子 絵
  • 1974年 ポプラ社 発行
  • 対象年齢:3才くらいから(主観です)

内容

お母さんが編んでくれた、ねずみくんのチョッキ。

「似合うでしょう?」と、ねずみくんのお気に入り。

そこへあひるさんがやってきて、「いいチョッキだね。ちょっと着せてよ。」と言われ、貸してあげることにしたねずみくん。

「少しきついが、似合うかな?」とあひるさん。

そのあとおさるさんがやってきて、あひるさんに「いいチョッキだね。ちょっと着せてよ。」と言い、あひるさんはおさるさんにチョッキを貸します。

「少しきついが、似合うかな?」とおさるさん。

そのあとも、次から次に別の動物がやってきて、貸し借りされたチョッキはどんどん伸びてしまい。。

そこへ再びねずみくんが登場、お気に入りのチョッキの変わり果てた姿にびっくり仰天!!

がっかりして、しょんぼりしてしまいます。

ところが、最後はビロンビロンのチョッキがあるものに変身!

ねずみくんの気持ちはいかに!?

感想

私はやはり親目線で読んでしまうのですが、ねずみくんのお母さんの気持ちで見てしまうと、「切ない」の一言につきます。

動物達も決して悪意はなかったのだと思います。

こういう場面って普段の生活の中にもありますよね。

おもちゃを誰かに貸したら壊れてしまったとか、部分的なものを含めてなくなってしまったとか、みんなにお菓子を分けていたら、自分の分がなくなってしまったとか。。

最後の場面はねずみくんの表情がはっきり見えず、きっと納得、切り替えられたと捉えて良いのだと思いますが、子供と重ね合わせると、順応性の高い子供は意外と気にしていなく、むしろこちらの方が気に入っていたりする場合もあるのです。

我が家の上の子もこだわりがあまりないので、このタイプ。

「貸して」と言われたら「いいよ」と言える方なのですが、強い子にはおもちゃを占領されてしまっていることもあります。

でも時々は嫌な時もあるようで、自分なりによく考えていて、その子のそばで監視していて、隙を見て「返して〜」と、我が子ながらいいタイミングですっと返してもらっていたりします。(笑)

ポジティブな気持ちで臨機応変に、「この使い方の方が楽しい!」とか、例え自分の分がなくなっても「人に喜んでもらうことが嬉しい!」等と子供自身が思うのであれば、それは親がどう思おうが、子供の気持ちを否定することはできません。

「せっかく買ってあげたのに!」と親としては複雑な気持ちになりますが、むしろその前向きさや優しさを褒めてあげなければいけないのだと、改めて考えさせられました。

一方で、「貸したくない」、「やっぱり貸さなければよかった」と思うのであれば、それも正直な気持ち。

ただ、自分が大切にしているものをお友達に「貸して」と言われる場面は、これからも多々あると思います。

そんな時にどうすればよいか、この絵本のねずみくんは最後どんな気持ちだったか、嫌な気持ちのままだったら、どうすればよかったのかを親子で考えてみると良いのではないでしょうか?

どちらにせよ、ねずみくんの承諾なしに勝手に貸し借りしたりするのは良くないことだと思いますので、そこは子供達にしっかり伝えたいなと思いました。

園で読んでもらった読み聞かせ用の大型の絵本は、物語の内容がもう少しわかりやすく理解できるようになっていたと思いますが、原作のこの絵本は文字が少なく、それぞれ表情がよく描かれていて、絵で語っていることがポイントだと思います。

人によってはこの絵本を敬遠してしまう捉え方になるかとも思いますが、自由に解釈できるメリットを活かして、色々な立場の気持ちを想像しながら読んでいただくと良いかと思います。

子供の気持ちに寄り添うことは、自己肯定感を育む上でとても大切なことだと思います。

自分の考えよりも、まずは子供の気持ちに耳を傾けてみようと改めて思いました。

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