- しろちゃんとはりちゃん
- たしろちさと 作・絵
- ひかりのくに 発行
- 対象年齢:4才くらいから(主観です)
今年は子年なので、何冊かねずみが登場する物語をリストアップしていたのですが、その中から私のお気に入りの一冊をご紹介したいと思います。
この本は家族が図書館で借りてきて初めて知ったのですが、うさぎのしろちゃんと、はりねずみのはりちゃんのやり取りが何とも微笑ましく、我が子を重ねて見てしまいます。
大きくなるにつれて大なり小なりあるお友達とのトラブルですが、お友達への思いやりを絵本を通して感じてもらいたくて、読み聞かせに取り入れた絵本です。
テーマはずばり、「友情」です。
内容
お友達のうさぎのしろちゃんと、はりねずみのはりちゃんは、森のおうちで一緒に暮らしていました。
好きなテレビも遊びも絵本も同じ、大の仲良しです。
しかし、ある時、ちょっとした意見の違いから大ゲンカに!!
はりちゃんは家を出て行ってしまいました。
しろちゃんは最初こそ、「はりちゃんなんか大嫌いだ!」と言っていたものの、外には雪が降り始め、なかなか帰ってこないはりちゃんが心配に。。
そして、しろちゃんははりちゃんを探しに出掛けます。
なかなか見つからないはりちゃん。。
はりちゃんが危ない目に合っているんじゃないかと、しろちゃんに不安がよぎります。
すると、向こうに何か雪に埋れたトゲトゲが見え、はりちゃんがおおかみに食べられてしまったと思ったしろちゃんは、もう胸が張り裂けそう!
すると、後ろから誰かの声がして。。
いなくなってしまって改めて相手への思いに気付くことを知ったり、相手への思いやりについて考えさせられるお話です。
感想
「ケンカをするほど仲がいい」とよく言いますが、まさにこの絵本の内容です。
小さいうちは自分の思うままお互いに好きなことを言ってしまうので、ささいなことですぐに衝突してしまいますが、それも成長過程の一つと捉えています。
大人から見ると「どっちでもいいじゃない。」と思うようなことでも、本人達は至って本気。
そのような時、思わず子供に我慢させてしまうようなことを言ってしまいがちですが、言葉の伝え方や他人の気持ちを知ること、他人への思いやり、感謝の気持ちなど、実は様々なことが学べる機会なんですよね。
たとえケンカになっても、親としてはグッとこらえて見守る場面なのだと思います。
これはお友達との関わりを通して経験できることです。
親は子供の気持ちを否定せず、受け止めてあげることで子供自身も自信がつき、他人を受け入れ、認めてあげることができるのだと思います。
私もついつい頭ごなしに言ってしまうことがあるので、いつでも肝に命じておきたいと思います。
この本はそんな子供同士のよくあるいざこざを通して得られることのできる、心の成長を教えてくれる物語です。
子供達が大好きなカレーが登場する所も親しみがあり、我が子もとても気に入って、よく選ぶ一冊です。
みなさんもぜひご覧になってみて下さい。